技術情報
電動弁のシーティング方式とは?
手動操作弁はハンドル操作によりバルブの開閉を行うが、特にバルブ閉止時
は弁体が弁座にシ-トした後、ある程度の操作力を与えてシ-トを確実なもの
とする必要から、ハンドル操作力がそのバルブの適切な程度となるように
一般的な人力を考慮し、ハンドルの大きさ等が決定されています。
電動弁ではこの操作力が電動駆動装置の駆動力となるが、バルブ型式により、
バルブ閉止方式(シ-ティング方式)は下記2方式がある。
(1) ギ ァ ー ド シ ー テ ィ ン グ
弁体閉止後は出入口の流体差圧により、弁体が弁座に押し付けられてシートする
方式である。操作力により弁体を弁座に押し付けない為、シート面を含めバルブ
及び駆動装置に生ずる閉止時のシート荷重が小さく、バルブ保護の観点からは
下記トルクシートと比べて、優れている。 弁体・弁座シートの位置関係を合わせ
て、バルブを閉止操作する必要から、閉止時の制御はリミットスイッチによる
が、バルブを組み立てた状態では弁体の動きが分からないので、弁棒の動きを
計測して、適切な位置に電動停止させるリミットスイッチ調整が必要である。
〈適用弁〉
① 仕切弁(下記トルクシーティング以外のもの)
② パラレルスライド弁
(2) ト ル ク シ ー テ ィ ン グ
手動操作と同様に弁体が弁座にシートした後、設定されたシート面圧を与えて
シートする方式であり、トルクスイッチにより駆動力が制御される。
〈適用弁〉
① 玉形弁 :流体を閉止するには流体圧に対抗し、且つ、更にシートを密着
させる必要がある。
② 小口径の仕切弁:シート径が小さい為、シート幅も狭くなっており、
ギァードシーティング調整が難しい。又、弁体の標準上がりが少ない為、
ギァードシーティングするように製作したバルブであっても、手動増締めした
場合に弁体が弁座に押し込まれ、シートの位置関係が外れたりすることが
あるため。
③ 低差圧の仕切弁:バルブ閉止時の出入口流体差圧が小さい為、弁体が弁座に
押し付けられても、シート面圧が小さく、シート面の密着が得られないため。