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応力腐食割れの事故

応力腐食割れは特にオーステナイト系ステンレス鋼製機器に多く、この系の

ステンレス鋼の腐食事故で最も大きな割合を占めております。

オーステナイト系ステンレス鋼の応力腐食割れの研究は、1940 年代から始め

られ現在まで機構の解明に、また防止対策の確立に多数の研究が行われている

が、いまだに応力腐食割れ事故は後を絶たない。応力腐食割れを起こした

オーステナイト系ステンレス鋼製装置機器の種類と、その発生箇所別の事故調査

結果をみると、熱交換器や塔、槽本体などが最も応力腐食割れを起こしやすい

装置機器である。このような事故調査は石油精製プラント関係でも行われて

おり、その結果は10 件で、水素化脱硫系統以外の装置に多いようである。

以上の事故調査結果でも明らかなように、今日、耐食性材料として最も需要の

多いオーステナイト系ステンレス鋼の事故のうち、応力腐食割れがきわめて重要

であることがうかがえる。

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